はじめてお便り致します。横浜に住む会社員で町田と申します。
先般、三枝先生訳注の『中論』(第三文明社)を読む機会があり、その直後に貴殿の「空の思想」に巡り合い驚きと感動のままにお便りしています。
もっとも『中論』を訳が分からないまま読み(読んだというより見ただけといった方が正しいかもしれません)終えただけの私が、「自分の目で確かめることにした。つまりナーガールジュナ自身の書に直接いどむことにした」佐倉さんにものを申せる道理もありません。ただ今後の展開を楽しみにしている事を申し上げさせていただきたくお便り致します。
ただこれを機会に私もさらに勉強したいとは思いました。一応仏教徒(創価学会員です)ではありますが、仏教に関して如何に知らない事が多いか、さらに色々知っていきたいと思います。
ではまたお便り致します。
町田 修
えらそうなことを、僕は序論で語っていますが、あれは、学生の時、僕が持っていた意気込みの一部を、ほとんどそのまま書き付けたものです。今では、恥ずかしいやら、なつかしいやらですが、ナーガーラジュナの研究をつづけていくために、半分は自分自身に言い聞かせるつもりで発表したものです。
三枝教授の著作は、『中論』はもとより、いろいろ僕も利用させていただいています。これからは、大学人・社会人の区別なく、さまざまな分野の研究がなされていく時代だと僕は思います。三枝教授の『中論』のような、学ぶものにとって便利な著作が、どんどん生まれることを願います。